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チェココラム
ルジェナおばあちゃんの靴下
<手編みの靴下>
  ‘Ponožka, která sedne na patu’=かかとに座る靴下。チェコでは履き心地の良い靴下をこう呼びます。今回は、Office C&N の活動紹介として、無印良品の靴下開発のきっかけとなった、ルジェナおばあちゃんの手編み靴下についてお話します。

ルジェナさんとの出会いは5年前。棒針・かぎ針編みのとても上手な、優しくて素敵なおばあちゃんです。親交をあたためるうち、私たち家族一人ひとりにぴったりの靴下をプレゼントしてもらい、皆がファンになりました。今まで感じたことのなかった「かかと」へのフィット感と、くり返し洗濯してもぴしりと戻る、形状記憶型と呼びたくなるような丈夫な作り。そして何より、履く人への思いやりが編みこまれた靴下は、寒さから足を守ってくれるのです。


私たちは、この靴下の良さを、もっと多くの人に伝えたいと思ってきました。そして、今回なんと、良品計画への提案が実を結び、かっこいい木綿の靴下が誕生しました!かかとの良さがバッチリ盛り込まれ、毛糸と木綿糸を2本取りして補強する独特の編み方は、ナイロン糸を編みこむことで取り入れられました。量産化の為に奔走した努力の結晶、その名も「足なり直角靴下」(↓写真右)です。履き心地もなかなかです。


現在、量産されている靴下は、120度以上に開いています(↑写真左)。実はこれは、履きやすい形だから、ではなく、機械で作りやすいから、だったのです。今まで考えたこともなかった事実に驚きました。だから、おばあちゃんの靴下(写真中央)は履きやすかったんだ!

このような 90度の靴下の量産化は、かなり難航している様子でした。それでも、何とかして、商品化したい。Office C&Nは日本組とチェコ組に分かれ、情報集めに走りました。まずは、これまで40余年ルジェナおばあちゃんの頭の中にのみ保存されていた、オリジナルの編み方を聞き出すことから始まりました。


ゲージや編み図がないため、情報はすべて口頭と実演で伝えます。C&Nチェコスタッフが週末、雪の中を200km離れたおばあちゃんの街まで行き、ビデオや写真も送ってくれましたが、一番ポイントとなる「かかと」の編み方が複雑で、なかなか伝わりません。せっかく作ってくれた手書きの編み方説明書(↑写真右)も、文章ではやはりわからない…。

こうなったら、実際に編むところを見てもらうのが一番効果的と考えました。私たちOffice C&Nで娘のアレナさんを招待し、おばあちゃんに編み方を習ってきてもらうことにしました。

アレナさんは週末にかけておばあちゃんの家に行き、今まで習ったことのなかった特別な靴下の編み方を、短い時間で何度も練習して来てくれました。良品計画にも見せる時間を設けてもらい、いざ、出陣!


本番は、予想以上に多くの人に囲まれて、汗で棒針がすべってしまったほど緊張しましたが、真剣に編み方を研究してくださる担当の方々の熱意を感じ、なんとか商品になれば、という思いを強くしました。


それから約4ヵ月後、とうとう商品化と発売の決定を聞き、Office C&Nの小さな仕事場は喜びと興奮に包まれました。9月、靴下のバックストーリーを用意するために、ルジェナおばあちゃんのインタビューと写真撮影をしにチェコへ行きました。


はるか遠い国日本で、まさか自分の靴下が注目されるとは、と、驚きながらも喜ぶおばあちゃんと家族でした。


Office C&Nの提案に目を向けて下さった多くの方の尽力によって、商品化された靴下が、この秋から日本の皆さんの元に届きます。Office C&Nの活動が形に成ったことは、私たちにとって最高の喜びです。これからも、全スタッフが一丸となって、もっともっと良い提案・面白い活動をしていきたいと、決意を新たにしています。

−おわり−

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